地中海文明を築いた古代カルタゴがチュニジアの前身・・・異文化の交差するチュニジア旅行を支援します
アルファベットの起源
The origin of the alphabet
アルファベットはフェニキア文字が原型です
フェニキア文字はチュニジアの前身である古代カルタゴの文字です
※フェニキア文字の派生(日本語&英語)は最後に掲載
The derivation (Japanese & English) of the Phoenician alphabet is placed
last
1.フェニキア文字の誕生
フェニキアとは現在紛争の有るシリア、レバノン、イスラエル一部です
フェニキア人は海洋民族で、地中海交易を活発に行って、地中海文明を築いてきました
※ カルタゴはレバノンの海岸沿いに有った5つの都市国家チュロスの王女エリッサが紀元前814年に現在のチュニジアに建国しました
当時の文字は、エジプトの象形文字や楔形文字でした
大変難しく不便でしたので、原カナン文字を簡単にして線で描ける文字を
フェニキア人が発明したのがフェニキア文字の始まりと言われています
紀元前11世紀半ば以前を原カナン文字、11世紀半ば以降をフェニキア文字に分類されました
※ 紀元前1100年頃は、フェニキア人がユティカ(チュニジア北部の町)のメジェルダ川河口で交易を始めた頃です
古代カルタゴが紀元前814年に建国され、地中海交易を活発化し地中海文明を築いてきました
古代カルタゴの活動範囲と共に、地中海沿岸ではフェニキア語が使われました
文字の無かったギリシャが紀元前880年頃にフェニキア語を導入してギリシャ語を作りました
※ アルファベットはフェニキア人が発明したフェニキア語がアルファベットの元と言われています
2.フェニキア文字の特徴
●フェニキア文字は子音だけの22文字から成り立ち、文字は右から左に書かれました
●牛の頭をAlephと言う名前を付け最初の文字とし、家をBethと言う名前を付けて2番目の文字とし
アルファベットと呼ばれるようになりました
●同時に石に刻んでいた文字も、パピルス紙が発明されてからはインクで書くようになり
線文字の発明は画期的なものとなりました
3.フェニキア文字の派生
●フェニキア文字は紀元前9世紀(前880年頃)にギリシャに導入されて使われました
●ギリシャでは1行目を右から左に書き、2行目を左から右に書き、3行目を右から左に折り返す牛耕方式で文字を繋げました
その後、左から右に角方式に統一され世界的表記に定着しました
●ギリシャでは当初フェニキア語をそのまま使って居ましたが、後に数個を母音とし、更に2文字が追加され
ギリシャの植民地であったイタリア半島のエウボイア人に伝わり、エトルリア・アルファベットが完成し
ローマに伝わってラテン文字に発展しました
●約600年後に出来たローマの帝国制度で、ローマ皇帝の公用語となり
今日のアルファベットへと変遷していきました(初代皇帝は紀元前27年、文字をローマ字とも言う諺)
●ローマ帝国滅亡後は、キリスト教の布教と共にヨーロッパをはじめ全世界に広まり
今日のアルファベットに定着しました
●日本語の學が学に、縣が県に変遷しているように、フェニキア文字も前期(古代カルタゴ建国前)
後期(古代カルタゴ建国後)では文字が変遷し、文章には地域での方言も取り入れられてきました
●フェニキア文字は漢字圏を除く地域の文字の原形にとなりました
●中世になるとアルファベット(ローマ字)も、大文字の他に小文字も発明され
今日の文字になっています
フェニキア文字の石碑
カルタゴ博物館所蔵の後期フェニキア文字の石碑です 大きさは長辺が20cm弱程の大きさで、カルタゴの都市計画が書かれています |